特許技術 「マグマカラー法」-マグネシウム合金の皮膜生成方法-
マグネシウム酸化物が電気絶縁性を有することに着目し陽極酸化処理によりマグネシウム合金の表面に厚くマグネシウム酸化物の絶縁皮膜を生成して皮膜生成だけで防食処理を行う方法を試み、マグネシウム合金(AZ91D)等の素材に対する絶縁皮膜生成方法の開発に成功致しました。
【特長】
- 酸化皮膜そのままの状態で耐食性が良好であります。
- 塗装の下地処理としても対応しており、塗膜との密着性も良好であります。
- 浴組成に有害金属は一切含んでおりません。
- 液管理も簡単なシンプルな浴組成であります。
【マグマカラーSL法】
●耐食性評価
下記サンプル品(AZ91材)を陽極酸化処理しました。
未処理品と処理品を塩水噴霧試験(1000H)にかけ耐食性評価を実施致しました。酸化皮膜は10μmです。
素材(未処理)初期 |
酸化皮膜10μm 初期 |
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↓ |
↓ |
素材(未処理)SST960H |
酸化皮膜10μm SST960H |
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腐食が著しい |
特に問題なし |
酸化皮膜のみでも十分な耐食性が備わっていることが確認できます。
●陽極酸化処理+カチオン電着塗装の製品例(AZ91D材)
【マグマカラーSH法】
●耐食性評価
- 下記サンプル品(AZ31B材)を陽極酸化処理+カチオン電着塗装しました。
処理品を塩水噴霧試験(1000H)にかけ耐食性評価を実施致しました。
酸化皮膜は10μmです。
SST 初期 |
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SST 720H |
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SST 960H |
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→ |
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→ |
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初期密着性 OK |
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特に問題なし |
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特に問題なし |
※上記の写真サンプル品の色調に違いが見られるが、現物は全て同一色(グレー色) |
酸化皮膜と塗料との密着性がよく表面形態に変化は見受けられませんでした。
- 塩水噴霧試験(SST240H)時に上記1と同じサンプル品を既存のクロメート処理品との耐食性の比較を行いました。
陽極酸化皮膜下地品 |
既存処理品 |
【SH法:240Hr】 |
【SL法:240Hr】 |
【クロメート法:240Hr】 |
当社技術のマグマカラーSL法、マグマカラーSH法のほうが耐食性において良好な事が確認できます。
【今後の技術革新】
当社としては、マグネシウム合金の陽極酸化処理のプロセスにおいて電着塗装等への下地皮膜に留まらず、あらゆる処理方法に対応していく考えです。
今回、実験結果として陽極酸化処理後に酸化皮膜を有機染料により染色処理したサンプル品と陽極酸化処理後に酸化皮膜を銅メッキ処理したサンプル品を紹介します。
実験結果1. 陽極酸化処理後の染色サンプル(有機染料 黒及び赤)
実験結果2. 陽極酸化処理後の銅メッキサンプル
青化銅メッキのサンプル
無電解銅メッキのサンプル
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