「アルマイト」-当社独自のノウハウをちく積した技術-
近年、自動車関連の動向を分析しますと軽量化、ガソリン燃費向上、環境対策といった言葉がよく目につきます。
部品関連を分析しますとアルミニウム合金の製品が非常に多く使用されてきております。特に機能品部品においては、薄膜硬質皮膜の需要が著しい増加の傾向にあり、素材にはアルミニウム合金のダイカスト材(ADC-12材等)が最も多く使用されてきております。
しかし、ADC-12材等の多量のケイ素(シリコン)と銅が含有されている材質は、均一な皮膜生成が難しいとされてきておりました。
当社は、プラスとマイナスを周期的に反転出力するプラスマイナス極性反転電源を使用し、これらの難しい材質の陽極酸化技術を確立してまいりました。
技術 1. シュウ酸アルマイト法
自動車関連の機能品部品においては、高い品質が求められてきております。
品質に関しましては、薄くて、硬度があり、表面粗さがいいという条件が1つの品質水準になっております。
当社はプラスマイナス極性反転電源を用いたシュウ酸アルマイト処理技術を開発してきました。
製品例 1.自動車部品
製品例 2. 消防器具
技術 2. 硫酸アルマイト法
当社はプラスマイナス極性反転電源を用いてあらゆる材質のアルマイト処理の研究開発を行っております。
ケイ素や銅が含有されている難材質に対しても研究開発を重ねてきました。
プラスマイナス極性反転電源を用いたアルマイト処理の特長
- 皮膜の均一化
- 皮膜生成の高温高速化
- 直流電源と比較して電解電圧を低く抑えることにより、皮膜を硬くすることができます。
技術 3. 陽極酸化皮膜の着色法
アルミニウム及びその合金の陽極酸化皮膜は容易に着色することができ、この特徴を生かして現在も幅広く利用されています。現在利用されている陽極酸化皮膜の染色技術や着色技術にはいくつかの手法があります。その代表的なものとして、有機染料による染色法や自然発色法、二次交流電解法などがあります。しかし、これらの手法を用いた染色皮膜や着色皮膜では耐候性が劣ったり、皮膜の色調が限定されたり、二次電解の液組成が複雑で管理が難しく、皮膜の色調が不均一になるなどの諸問題を抱えています。
当社は、プラスとマイナスを周期的に反転出力するプラスマイナス極性反転電源を使用し、陽極酸化皮膜における着色技術に力をいれてきました。
着色技術の特長
- 単純な硫酸電解液で陽極酸化皮膜を生成後、加温した金属塩溶液に浸漬するだけで簡単に着色皮膜が出来ます。
- 極性を変換させ負電流を流す反転比率、金属塩類を選定することにより、種々の色調に皮膜を着色することが出来ます。
- 着色皮膜は無機質であるため、有機染料のように紫外線による褪色がありません。又、有機染料では得ることの出来ない独特な皮膜の色調を得ることが出来ます。
着色技術の要領
- 陽極酸化処理
アルミニウム及びその合金を硫酸を含む電解液中で、下記の図1に示すように周期的に極性を変換させ負電流を流す電流反転電解を行うことにより、硫酸電解液の還元作用によって皮膜中に硫黄化合物が蓄積されます。正電流印加時に陽極酸化皮膜を生成させ、負電流印加時に皮膜中に硫黄化合物を蓄積させるわけです。
図1. 電流波形図
- 着色処理
生成された陽極酸化皮膜を加温した硫酸ニッケル、硫酸コバルト等の金属塩を含む溶液中に浸漬します。浸漬時間等を変えることにより陽極酸化皮膜は様々な色調に着色されます。
陽極酸化処理した皮膜を着色した色調変化例です。材質は6061材です。
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No.1 素地 |
No.2 3分 |
No.3 5分 |
No.4 10分 |
No.5 15分 |
No.6 20分 |
製品例 ドアノブ
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